人生が生き辛い・・・アスペルガーを抱える方の気づき

『何度も転職を繰り返し、いつも人間関係に悩まされ続けてきた。どこに行ってもパワハラを受け、どうしたらいいのかを常に悩み、様々なところに相談してきた。でも・・・結局何も変わらない。人生が、何も変わらない。こんなに変えたいのに。どうしたらいいのかと、ここに辿りついた。』

そうおっしゃるその方は、既に何も、期待していないように見えました。『どうせここもダメだろう。』そんなことを思っていたのかもしれません。固く閉ざされたハートは、これまでの辛かった人生を物語っているかのようでした。

ハートを感じ、ハートと繋がる練習

個人セッションでは、いつも多種多様な方とお会いし、それぞれの人生に私自身も学ぶことが多々あり、いつも大きな気づきを頂いております。そんなある日、個人セッションのお申込みを頂きました。その方は、オンラインではなく、対面をご希望とのこと。グループではなく、1人で受けたいという強いご要望でした。私は特に何も思わず、普通にお引き受けし対応させて頂きました。

聴くと、その方はアスペルガーが少し入っている学習障害なのだとおっしゃいます。それがどんな特徴でどんな症状なのか、私には漠然としたイメージしかありませんでした。大丈夫だろうか・・・？少しの不安がよぎりましたが、必要があってここに居らっしゃってくださっている。そう信じることでセッションを開始することにしたのです。

ところが・・・毎回、暖簾に腕押し、ぬかずけに釘のような時間でした。毎回、手ごたえを感じられず、この時間がこの方にどんな影響を与えているのか？分からなくなることがありました。その度に、このままでいいのか？他の専門家をご紹介したのがいいのでは・・・？と、不安に思うことをハートに尋ねる日々を過ごしながらも、最初に感じていた不安は、日に日に色濃くなっていくように感じていました。

最善を尽くす。私ができることはそれしか見当たりませんでした。その方を信じることが、私が唯一できること。信頼は、その方のハートにも届き、繋がるはずです。シンクロニシティの中で、私はその方のハートに愛を送り続けました。

セッション以外の日にもご自身のハートを感じる練習を提案しました。『オンラインはとても無理だ、分からないし出来ない』とおっしゃるので、対面でお会いした時に、一緒にオンライン環境を作りました。月に1度のセッションにプラスして、2週間に1度、オンラインでのプチ練習を追加して頂きました。私の信頼と、その方の努力は実を結ぶのでしょうか・・・？分かりません。でも、やれることがあるのなら、最善を尽くすだけです。

生き辛さと共にずっと生きてきた

誰からも理解を得られず、周りの人の苛立ちのはけ口となってしまう日々は、どんなに苦しく、不本意な人生だったことでしょう。言葉の暴力は、心に大きな怪我を負わせ、後遺症をも残します。ずっと、ずっと、そうした生き辛さと共に過ごしてきた人生。

私は、それこそこの方の絶大なる強みなのではないかと思いました。そこが、生き辛さを生み出すポイントなら、生きる喜びも楽しさも、ここに在るはず。

短所は長所の裏返しといいますが、正に、そうなのだと思えてなりませんでした。人生は、とてもシンプルなのだから。その方の個性には、確かに社会的には困難さを伴い、自分自身に嫌悪や憎悪が渦巻く面もあるのかもしれません。でも、別の視点から視ることで、愛と恩寵が注がていることに気づく可能性は大いにあると。そこにこそ、意識をフォーカスしてみたいと思いました。