私たち人間の『望み』は、『正しい望み』と『正しくない望み』の、2つに分けることができます。まず、『正しい望み』とは、どんな望みでしょう?自分の願望がどこから来るものなのか、どこ由来のものなのかをしっかり分かっているということが挙げられます。表面で望むものを更に深めることで、本質由来の願望に洗練することができます。
例えば、『昇進したい!』と思っているとします。それを、更に深めていくのです。〔何故、昇進したいの?〕「お給料が上がるから」〔お給料が上がると何が得られるの?〕「旅行に行ける!」〔旅行に行って何が得られる?〕「のんびり過ごす時間」〔その時間が与えてくれるものは?〕「穏やかさや癒し」・・・ということで、『私は、穏やかさや癒しが欲しい』ということが分かります。
表面では昇進を望みますが、実際に欲しいものは穏やかで癒しのある時間なのです。昇進すると、更に仕事が忙しくなり、穏やかさや癒しとは離れてしまうような気がします。『これ(昇進)が手に入ったら私は幸せになる』はずだったのにおかしいと思い、次に何を手に入れたら幸せになるかを考え始めます。本当に欲しいものが手に入るまで、それをずっと続けることになるでしょう。
自分が何を望んでいるかを知らないというのは、見当違いなところに延々とエネルギーを注ぎ、本当に欲しいものから自分を遠ざけてしまいかねないのです。でも、こうして自分の望みを深めていくことで、本当に欲しいものを理解することができます。これが、『正しい望み』です。
『正しくない望み』とは、その望みが叶わないとどうにかなってしまうという、ネガティブさを含む願望のことです。例えば、『これを持っていないと、私は安心できない』『これがなければ、私の価値が無くなってしまう』『これがないなんて、人にどう思わるか心配』だから『これが欲しい』ということになります。ネガティブな願望が叶うことが、人生の目標だと思い込んでいるので、それを追い求めることを延々と続けます。まさか、自分が【ネガティブ】にコントロールされているなんて、気づくこともありません。
私たちの【望み】は、人生を生きる上でのスパークのようなものだと、ダスカロスは言っています。私たち人間にとって、自分が望んでいるもの、そこへの【興味】は、生きるために必要な大きな力、原動力です。【興味】が私たちを突き動かし、人生を創っていくのです。そうやって誰もが、自分が望んたものが叶って欲しいと思っています。
自分が望んだ通りにならないと、それだけで私たちは取り乱し、不安になり、恐怖を感じます。これは、自分の人生を全く信用していないという証拠でもあります。信頼があれば、常にベストなことが起こっていることを悟り、望みが叶わないのではなく、叶えるためのプロセスに過ぎないことを知っているのです。
こうしてみると、【自分を知る】というのことが、人生を創造するうえでいかに大切かが分かってきます。自分を知ることから全てが始まります。まずは、自分との対話を試みてはいかがでしょう。
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